カスタマーコンサルティングチームの西村 啓です。
現在、Treasure Data CDPを導入されたお客様へのコンサルティング業務を担っております。サポート範囲は、導入フェーズから、実際の利活用フェーズまでとなっております。私自身は、2019年12月のトレジャーデータ入社まで広告代理店でアカウント業務、メディア業務を実施しており、全く違う世界の人間でした。
トレジャーデータへ入社してから、いくつかのプロジェクト運営を実施してきた経験を元に
- Treasure Data CDP導入時の鍵となるポイント整理
- Treasure Data CDP導入中に気をつけたいポイント整理
- Treasure Data CDPを活用したオフラインメディア施策結果の可視化
- Treasure Data CDPを活用したオフラインメディア施策結果の可視化の活かし方
- 実際のプロジェクト運営してきた中で得た「学び」
の記事を掲載してきました。
2021年、最後は、前回のプロジェクト運営を実施してきた中で得た「学び」を中心に記載をさせて頂きます。(パートナー様向けの内容と考えております)
学びポイント
Treasure Data CDP導入/運用プロジェクトを通して、私自身が得た学びとなりますので、様々な事に生かすことができるのではないか?と考えると共に、物事の捉え方の一つと認識していただけますと幸いです。
- プロジェクトゴール(=長期的ゴール)の最初の認識すり合わせ
- マイルストーンの更新・変更を常に意識
- ボトムアップとトップダウンによる途中段階ゴール(=短期的ゴール)の合意形成
常に、このすり合わせを、定期的にクライアント様と実施
最終ゴールとなるスケジュールは変更しない
担当者様との認識すり合わせと、必要タイミングでの決裁者の巻き込み
必要に応じて、クライアントと自社以外で実施のMTGにも参加し、合意形成のズレをなくす
過去にお話をさせていただいた内容と被る部分もございますが、この3点は、プロジェクトを推進していくで、一丁目一番地だと思いますので、2021年最後の記事として、記載をさせて頂きました。
プロジェクトゴール(=長期的ゴール)の最初の認識すり合わせ
プロジェクトスタート時、粒度感は別として、認識齟齬が発生する可能性は非常に高いです。可能性としてあり得るとすれば、下記が大きな要因ではないでしょうか?
- スケジュール(クライアント様が想定しているよりスケジュールが遅い)
- 長期的ゴールのズレ(データ活用(分析)?施策検討?)
- 実務者のスキル・工数(そもそも、実務者が不在など)
この辺のズレを、最初にうやむやにしてしまい、数ヶ月後、プロジェクトが止まる事は多いと思います。私自身が、このような事が起きない為に重視している事は、大きく2つです。
- 一番最初の定例会資料を丁寧に作りきる事で、認識のずれをなくす事
- その最初の資料をサマリーし、定期的なミーティングで常に説明していく事
この2点に限ると思います。
スタート時のシート(3枚)
2回目以降のシート(1枚)
マイルストーンの更新・変更を常に意識
プロジェクトスタート後、マイルストーンは、常に変化する物と考えています。最終ゴールを変更する事はありませんが、途中段階のマイルストーンは、クライアント/プロジェクト推進側の諸事で変化する事がNGだとは考えていません。大切なのは、最終ゴールタイミングを変更する事なく、途中段階のマイルストーンについては、柔軟に対応していく事は非常に重要です。過去に、私自身がプロジェクト推進してきた中で、下記のような要因でマイルストーンを変更しなければならない事が発生してきました。
- CDPに連携するデータ(テーブル)が、連携できない
- データ(テーブル)連携に、クライアント内で調整が必要(契約問題など)
- データ連携方法の検討ができていない
- そもそもデータがない
- 連携したデータに、個人に紐付いたデータがない
- IDと紐ついたデータ数が少ない(連携はできるが、施策/分析に耐えうる物量ではない)
- IDがそもそもない(Cookieなどの、ID代替物しかない)
- 実務者がいない
- 実務者(SQL/Workflowを駆使できる人材)がプロジェクトスタート時に用意できてない
上記において、全て、クリティカルな問題となりますがまずは、何よりも、CDPにデータ連携する事を重視して、プロジェクトを推進していくポイントとして、マイルストーンを設計(更新・変更)しなければなりません。CDP内にデータが入れば、結果的には、大小に関わらず、運用は可能となります。ここは、非常に重要となります。
ボトムアップとトップダウンによる途中段階ゴール(=短期的ゴール)の合意形成
プロジェクトを推進していく中で、実務作業に入れば、基本的には、現場担当者との打ち合わせがメインとなります。CDPの構築については、現場担当者とのすり合わせが重要となります。実務作業(タスク)を消化していく中で、次の各種フェーズでは、現場担当者様だけの判断では難しい事も発生してきます。その中で、決裁者の方々とのコミュニケーションが必要になります。
その必要性が発生した段階での、決裁者様との打ち合わせは、クライアント様、プロジェクト推進側の特性や思考性のすり合わせが必要となり、打ち合わせの数も必然的に増えてくる事が推測されます。(決めるべき事が、決めるタイミングで決まらない状況が発生します)決裁者との接点を増やす事は重要となります。
- (必須)3ヶ月(クオーター単位)での決裁者を含めたレビューの実施
- (出来れば)各種フェーズ毎でのタスク終了段階でのレビュー(進捗状況のご報告)
- (出来れば)定期的なミーティングへの参加依頼
さいごに
やはり、クライアント様の最終的な目的は、Treasure Data CDPを導入し、利活用する事です。プロジェクト推進において、必須となるポイントを3つまとめましたので、是非、参考にしてください。よろしくお願い申し上げます。