カスタマーコンサルティングチームの西村 啓です。
現在、Treasure Data CDP 及び Technical Account Managerを導入されたお客様へのコンサルティング業務を担っております。サポート範囲は、導入フェーズから、実際の利活用フェーズまでとなっております。私自身は、2019年12月のトレジャーデータ入社まで広告代理店でアカウント業務、メディア業務を実施しており、全く違う世界の人間でした。
トレジャーデータへ入社してから、いくつかのプロジェクト運営を実施してきた経験を元に、ご契約企業様が、Treasure Data CDP導入を推進していく中で、抑えておくべきいくつかのポイントを簡単にご説明いたします。
私自身、Treasure Data CDPプロジェクトをスタートしていく中(=実際の活用前段階の3ヶ月前後を想定)において、鍵となるポイントは大きく2つであると考えております。
- 導入プロジェクト推進者(マネジメント層)の早期策定
- 導入時のスケジュール(マイルストーン)の適宜更新
導入プロジェクト推進者(マネジメント層)の早期策定
一般的に、Treasure Data CDP導入のご提案・導入の決定・ライセンス付与から、活用フェーズに至る中で、お客様がまず考えるべき事は「どのようにTreasure Data CDPを使っていこかな?」という事だと思います。その為にまずは、お客様が保持されている各種データベースからデータをTreasure Data CDPへ取込む必要があります。しかし、「実際に活用するセクションの方々」と「Treasure Data CDPを構築するセクション(=各種DBからのデータ連携/取込業務を推進)の方々」が異なる事が大いにあり得ると考えております。
私自身がサポートさせていただいているお客様(A社)の場合、実際の利活用するセクションはTreasure Data CDP導入された企業ですが、Treasure Data CDPへ取り込みの為の各種DBを保持し管理しているのはグループ会社です。上記、A社のようにグループ会社との連携が必要な場合もあれば、お客様内で複数セクションを横断して、Treasure Data CDPの早期立ち上げを目指す場合も発生します。つまり、そのようなセクション間・企業間での調整を主たる業務とするマネジメント層及び現場担当者が必要となると考えています。ここで注目していただきたいのは、お客様にとってマネジメント層の方も含めた形です。
Treasure Data CDPプロジェクト以外でも、様々なプロジェクトがお客様の中で推進されていると考えますが、マネジメント層がスタートのみ関与する・定期的な会議体のみ参加するなど、積極的な関与が見られず、現場担当者のみが走り回る事はよくある話です。ある程度プロジェクト概要が確定されており、実施すべき業務が明確であるプロジェクトでは、業務が推進されていきます。しかし、Treasure Data CDP導入プロジェクトのような、複数セクション・複数企業が横断的な動きが必要となる場合、現場担当者のみではなく、マネジメント層が関与する事で、より効率的で早期に導入・プロジェクト進行が可能になります。
A社とは別の現在サポート中のお客様(B社)の場合、複数セクションが横断的に関与する必要性がありました。B社の場合、プロジェクトスタート(キックオフ段階)からボードメンバーがプロジェクト推進者として大きく関与しております。その結果、各種調整をボードメンバーが実施する事で、プロジェクト立ち上げから利活用にいたるフェーズを、1ヶ月程度で終了する事が可能になりました。※マネジメント層を定義付けとしては、各種セクションのトップ(課長)を想定しております。
導入時のスケジュール(マイルストーン)の適宜更新
Treasure Data CDP導入後、セクション間・企業間での調整を主たる業務とするマネジメント層及び現場担当者が決まり、プロジェクトが立ち上がったと仮定します。その後、まず実施していく業務(決めるべき内容)としては、下記3点になります。
- Treasure Data CDPをどのように活用していくのか?
=プロジェクトスコープの整理と策定 - 活用内容に合わせたTreasure Data CDPの構築
=要件定義及び必要な各種DBの確認と取込内容の確認 - 短期/中期/長期的なスケジュールの策定
=マイルストーンの策定と、WBSの構築
通常であれば約1ヶ月程度をかけて、上記3点を検討/策定し、プロジェクトを推進していく事になりますが、この中で最も頭を悩ませる事は「短期/中期/長期的なスケジュールの策定」。特に、ポイントとなるのは「短期でのスケジュール(マイルストーン)の策定」です。なぜ「短期でのスケジュール(マイルストーン)の策定」が、悩みとなるか?それは、スケジュールの遅延が発生する可能性が高いからです。スケジュールの遅延は、当初はプロジェクト推進において、大きな影響を受けないものが多いと思われますが、積み重なる事でプロジェクト推進に悪影響を与えていく可能性が高くなります。
結果として、3ヶ月、6ヶ月、1年単位でプロジェクト推進を振り返った際、プロジェクト進捗が思うように進んでいないという事で、活用フェーズへの遅れも懸念されることとなります。だからこそ、マネジメント層/現場担当者がプロジェクト推進者として、スケジュール(マイルストーン)の更新・修正を常に実施していく事が重要です。
既にご紹介させて頂いた、A社/B社とのプロジェクトにおいては、定例的なMTGを実施する際、プロジェクトの最初もしくは最後で、必ず全プロジェクトのスケジュール(マイルストーン)の整理を実施しています。プロジェクトに関わる人間全員が進捗を確認し、遅延の有無だけだけでなく、更新作業も実施していきます。
その際のポイントは、想定したスケジュール(マイルストーン)が遅れている事ではなく、予定より早く進行できる業務が存在しないのか?その結果、優先順位を変更できないのか?という事をプロジェクトに関わる全員で管理共有し、プロジェクトを推進していく意識を持つ事が重要です。