今回は、Treasure Data CDPをご利用いただくにあたって、必要な手順を簡単にまとめてご説明いたします。なお、このコンテンツの想定読者は、下記の方々となっております。
- Treasure Data CDPの導入をすすめる部署の方
- Treasure Data CDPを利用する部署に新たに配属されたが、どのように使うのかを把握したい方
では早速ご説明を開始します。利用手順の大枠は以下のとおりです。
- 具体的にやりたいことを決める
- やりたいことに必要なデータを用意する
- 用意したデータを収集・加工・集計する
- 整理したデータを利用して、やりたいことを実施する
料理に例えると
- 作りたい料理を決める
- 料理に必要な食材を購入する
- 食材を切ったり、煮たりする
- 出来た料理を盛り付けて食べる
といったところでしょうか。それでは、上記の手順に沿ってご説明します。
1.具体的にやりたいことを決める
実は重要なのは、一番はじめの「具体的にやりたいことを決める」です。例えば「店舗データとWebデータを活用して売上をあげよう」というのは、具体的な内容とは言い難いです。具体的にとは下記のような内容まで落とし込む必要があります。
- 売上を上げるために1顧客あたりの月間の売上金額を5,000円まであげよう
- そのために、前月売上が1顧客あたり3,000円以上5,000円未満であった顧客に対して、LINEで5,000円購入すると10%オフになるクーポンを送付しよう
なぜなら「店舗データとWebデータを活用して売上をあげよう」では、次の工程である「やりたいことに必要なデータを用意する」で必要なデータが明確にならないためです。一方前述のように具体的になっていれば、必要なデータが明確になるため次の段階に進めます。
2.やりたいことに必要なデータを用意する
前述の内容で気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、前述の「LINEで対象顧客にクーポンを送る施策」は「LINEIDと顧客IDを紐付ける情報」「顧客IDと購買情報を紐付ける情報」が必要になります。この情報がない場合はそもそも施策実行ができません。料理に例えると必要な食材がない状態です。
LINEで対象顧客にクーポンを送る施策で最低限必要なデータ
- 顧客ID (ECサイトの顧客IDやポイントカードのIDなど)
- 顧客IDに紐づく購買情報(売上金額、購入日など)
- LINEID
- LINEIDと顧客IDを紐付ける情報
したがって、まずは必要なデータを取得する方法を検討する必要があります。そのため、まずは自社がどのようなデータを持っているのか把握が必要です。皆様の所属部署では持っていないデータを他部署では持っているということもあります。自社の持つデータの棚卸しをし、そこから施策実施に必要な情報があるのか無いのかを判断してみましょう。上記を実施した上で、不足の情報があれば新たに取得を開始すれば問題ありません。
なおその際も、「1.具体的にやりたいことを決める」が役に立ちます。なぜなら具体的に何を実施したいのかを明確にしておけば、他部署からデータを取得する際や、新たにデータを取得する場合において「なぜこのデータが必要なのか」を説明することができ、関係者の協力を得やすいためです。
3.用意したデータを収集・加工・集計する
やりたいことを決めて、必要なデータを揃えたら次に用意したデータを収集・加工・集計します。ここからがTreasure Data CDPの利用となります。Treasure Data CDPはデータの収集・加工・集計がしやすい機能を用意しております。データ収集であれば、データ取り込みを自動で実施する方法やその設定を管理画面上で簡単に設定する「各種SDK」や「データコネクタ」という機能です。データの加工・集計処理であれば、「Data Workbench」という機能を用意しております。
機能詳細や、実際の作業手順は下記のリンクより動画ご覧ください。なお、本手順では利用に際してSQLを使うことがありますので、実際の作業はIT部門の担当者に実施いただく必要があるかもしれません。その作業を依頼する際にも、「1.具体的にやりたいことを決める」がしっかりとされていると、なぜこのデータ収集・加工・処理が必要なのかを説明しやすいです。
4.整理したデータを利用して、やりたいことを実施する
上記の処理が終わると次は施策実施に向けたデータ利用へ進みます。まずは3.で集めたデータを使い「Master Segment」とよばれる、データの台帳を作成します。「Master Segment」の作成は、管理画面から簡単な操作を実施するだけで作成できます。作業詳細は下記の動画を御覧ください。
データ台帳である「Master Segment」ができたら、やりたいことに応じて施策を実施していきましょう。まずは「Master Segment」を施策に応じたセグメントに切り分け、必要なツールに連携します。ここではAudience Studioのセグメントビルダーという機能を使って作業します。
前述の例であれば、以下のような作業です。
- 「前月売上が顧客あたり3,000円以上5,000円未満であった顧客」というセグメントに切り分ける
- 必要なツールである「LINE」にSalesforceを通じて連携する
セグメントを切る操作手順や、各ツールへの連携に関する操作手順は以下の動画を御覧ください。
いかがでしたでしょうか、Treasure Data CDPを使えば以上の手順を実施するだけでデータの利活用が可能になります。皆様がデータを活用し、事業貢献するのにお役立ていただければ幸いです。なお今回はご紹介しませんでしたが、他にも「Master Segment」を使い機械学習ができる「Predictive Scoring(予測リードスコアリング)」などの機能もございます。この機能を使い、有料会員の退会防止などに役立てているお客様もいらっしゃいます。ご興味がある方は以下の動画も御覧ください。
まとめ
Treasure Data CDPの利用手順は下記の4段階。特に1.が重要です。
- 具体的にやりたいことを決める
- やりたいことに必要なデータを用意する
- 用意したデータを収集・加工・集計する
- 整理したデータを利用して、やりたいことを実施する
最後まで読んでいただきありがとうございます。また次の記事でお会いできると幸いです。
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