カスタマーコンサルティングチームの丸山和馬です。
本記事では、WEB CRMのメール施策の成果を最大化するために、件名づくりの視点からデータ活用の重要性についてご紹介します。
メール施策の重要性と課題
自社アプリやLINEなどSNSでのコミュニケーションが重要になってきている昨今ではありますが、メールは依然として重要度の高い販促チャネルとして活用されています。各企業様においても、メール施策の成果を最大化すべく、日々様々な取り組みを行われているかと思います。しかし、思案して制作したメールも顧客の目線では数ある1つに過ぎず、メールボックスに埋もれ、中身すら見てもらえないことも多々あります。そのため、自社のメールを開封してもらう工夫こそが最重要課題だと考えております。
メール開封率の向上に影響する要素
どうすれば開封してもらえるのか、様々な視点で研究されているかと思いますが、ある会社の調査によると約半数の生活者が開封の是非を件名で判断しているという結果が出ております。CRM開発に携わってきた私の経験としても「件名」が特に重要だと理解しております。
※株式会社ベンチマークジャパン.”日本のメールマガジン購読状況調査2021年度版”.BENCHMARK.2021-06-21. https://www.benchmarkemail.com/download/jp/newslettersurvey2021.pdf
開封されやすい件名における課題
件名のライティング方法についても、様々な手法や理論はありますが、「限定感」「お得感(割引など)」「パーソナライズ化」は特に興味を引きやすいものだと実感しています。しかしながら、「限定感」や「お得感」は開封されやすい反面、多用すると商品価値やブランドイメージの毀損に繋がるリスクがあります。そのため、顧客が興味を持てる「パーソナライズ化」された件名を届けられるかが、顧客と長期的な関係を築く上では重要となります。
データを活用した件名の開発イメージ
パーソナライズ化に必要なのは、顧客への理解とその理解に基づいた分類を行うことだと考えています。そのためには、顧客の解像度を高める必要があり、デモグラフィックデータだけでなく、行動データやサイコグラフィックデータなどの取得・統合が必要です。
例えば、顧客の趣味趣向に関するデータを取得・分類することができていれば、それぞれに合った件名の開発や配信ができ、開封率の向上が見込めます。トレーニングジムを例とした場合、通い始めた動機を考えても「鍛えて注目されたい」「健康を維持したい」「大会に出たい」など、様々なものが挙げられます。
あくまで架空の事例ですが、「健康を維持したい」という顧客に対して、「【新商品】海の季節に向けた肉体改造ドリンクのご案内」よりも「【新商品】太りやすい夏の体型サポート飲料のご案内」の方が開封されやすいことは想像に難くないかと思います。しかし、企業様の多くはA/Bテストにて比較的に反応が良かった「【新商品】海の季節に向けた肉体改造ドリンクのご案内」を中心に更なる施策検討を行うため、一定数の顧客(健康志向の顧客)には常に開封されないメール施策を実施し続けるという状況に陥っています。
今回の事例で考えると、「アンケートデータ(コロナ禍の運動不足解消のために入会)」や「WEB閲覧情報(健康診断に関するコラムの閲覧頻度が高い)」「コンビニでの購買履歴(体脂肪を下げるお茶を何度も購入)などを取得・統合できていれば、“健康系顧客”に合わせた件名でメールを送ることもできるため、結果的にメール施策全体として開封率を高めることができます。
まとめ
かなり簡略化した例ではありましたが、顧客ごとの趣味趣向を取得・統合することができれば、開封率の高い件名を開発できるイメージを持っていただけたのではないでしょうか(もちろん件名自体を考える力も重要であることは言うまでもありませんが)。
ぜひCDPを活用して顧客データを取得・統合し、CRMのメール件名開発にもご活用いただけますと幸いです。顧客解像度の向上にお悩みの際は、トレジャーデータへご相談くださいませ。以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。