カスタマーコンサルティングチームの伊野 露起です。
Treasure Data CDPを導入するプロジェクトでPMOを担当しています。前回はプロジェクトリーダーが実施するチーム・ビルディング(組織づくり)のステップについて理論の一つであるタックマンモデルについてお話させて頂きました。今回はチーム形成の段階4ステップ(形成期、混乱期、統一期、機能期)のうち必ず乗り越えなければいけない混乱期にプロジェクトリーダーがとれるアプローチはどういうものがあるかお話したいと思います。
混乱期:目的・課題、各自の役割と責任等についてメンバーが意見を主張し始めるようになり、考え方や行動の対立、衝突が生まれ、お互いを尊重しつつも本音で考えをぶつけあう状態
チームの形成過程で一番重要な混乱期。成果が一時的に低くなっても乗り越えた後に大きな成果を出す為に乗り越えていかなければなりません。この対立から統一への時期は「自己開示」と「他者受容」がポイントになります。その為に必要なプロジェクトリーダーの役割は客観的な視点で多様性のあるチームが同じ目的・課題、各自の役割、メンバーの人間性が共有できるような仕組みを考える事になります。以下はアプローチの一例です
アウトプットの見える化を行う
同じ目的・課題、各自の役割を理解し合えやすくする為、プロジェクトの目的・背景、体制、ルール、スケジュール、課題、共有ドキュメントの情報保存先等、アウトプットや共有情報の見える化を行います。
プロジェクトに対する認識齟齬を小さくし、メンバー間の役割や責任の相互理解が進む事でメンバーそれぞれのチーム内の存在意義が確立し、プロジェクトが目指す方針や足並みをメンバ―間で揃える事ができます。
コミュニケーションの機会を意識的に作る
メンバーが互いの人間性を理解することを促す為、コミュニケーションの機会を作ります。人はコンタクトする頻度が多いほどオープンになり、互いを認め合う関係になりやすい(ザイオンス効果)という心理的効果があります。
ただ、場を作れば良いというわけでなく、プロジェクトリーダー自身が各メンバーの強みとニーズを把握しメンバー間のコミュニケーションが生まれやすくする事を行います。又、自分自身の特徴を理解し、意識して自身の言動をコントロールし、より効果的な対人行動、リーダーシップを発揮する事も大切です。
さいごに
混乱期を乗り越える為のアプローチは、プロジェクトの状態やメンバーの特性に合わせ様々なアプローチがあると思います。しかしアプローチより大切なのは、互いの特性を知り、常に本音で話し、自分とは異なる考え方を受け入れるという姿勢をプロジェクトリーダ自身が徹底していく事だと強く感じています。