トレジャーデータ重原です。前回はチームの立ち上げと、そのメンバーの役割や必要な人材要件についてご説明させていただきました。
現在のCS体制に至るまでと、必要なメンバーケイパビリティ(と思い出話) Vol.1
その上で、Treasure Data CDPを活用したプロジェクトマネージメントを進めていく上での必要な要件としては以下の6つをあげさせていただきました。
1.Treasure Data CDPの知見
2.顧客ビジネス全体の理解力
3.顧客ビジネス課題への洞察力
4.課題における打ち手への理解
5.データから打ち手へ繋げる事のできる一定の技術知見
6.顧客とのコミュニケーション能力
前回の記事でもご紹介しましたが、トレジャーデータ日本法人の営業チーム(現社長三浦配下)の体制としては、いわゆるプリセールス(JP sales)とポストセールス(JP CS)に分かれていおりました。その上で新チームの役割は以下(再掲載)。
このイメージは新チームの初期思想ではあるため、若干誤植があるということはあえて記載させていただきます。トレジャーデータのカスタマーサクセスは2016年の後半頃から、契約をいただいているお客様に対して、カスタマーサクセスチームの本格的な運用を開始しており、お客様のビジネスにどうやってTreasure Data CDPを活かせるかをお客様と常に考え並走していました。ですので、新チームが求める役割としては既にカスタマーサクセスが保有していたという状態でした。
新チームとカスタマーサクセスチームの違いとは
基本的には両チームとも顧客の成功を求めることが最終ゴールとなります。ただし、新チームは我々がお客様と共に、時にはお客様の代わりとなり、トレジャーデータの利用計画や設計を組み立てて、それを進めていくモデル。カスタマーサクセスは(一部例外を除き)あくまでもSaaS企業のビジネスサポート担当として、お客様が自ら考えたことに対して、それを実現するためのアドバイスやサポートするという立場が中心でした。ただ、結果的に目指すもの、お客様のビジネスを、我々のツールを軸に、データを活用することで成功に導くこと、です。もう少し噛み砕くと、プロジェクトチームを発足し自らも顧客再度のプロジェクトメンバーとして手を動かすか、外部サポーターに徹するか、という違いがありました。
図1:対応範囲
図2:新チーム対応範囲詳細
お客様の期待値の変化
初期のTreasure Data CDPはビックデータの処理基盤として提供、特定のアプリケーションやサービスのバックエンドで活用いただくケースが多く見受けられました。しかし、マーケティング市場におけるデータ活用ニーズの高まりもあり、カスタマーデータプラットフォーム(CDP)として現在ではサービスを展開しております。
当初のサービス展開においては、お客様の目的自体も比較的シンプルで、XXXをするためにTREASURE DATAを導入する。その上で活用範囲も初期の定義から大きく崩れることもなく、初期のインプリメントを実施すればある程度安定稼働に入り、お客様のサポート自体も比較的範囲の定義をしやすい環境にありました。しかし、CDPというマーケットについては、特定のバックエンドの処理だけではなく、マーケティング全体にフィールドが広がるため、お客様側での活用範囲拡大の容易さ、データ活用におけるKPI、ROI算出など、従来とは違う速度で対応や進歩をしていく必要が出てきたと考えます。
ビックデータのサービスから、CDPサービスへの移行期においては、特定のアーリーアダプターのお客様が、我々のツールを利用することを強く社内外に対して推進していただくことで、お客様のゴールとから新なユースケースの創造しそれを機能化することで埋めることが可能でした。しかし、類似する他社サービスも増える中、他社に追随する形でデータ活用を取り組んでいこうとするお客様から見た時に、その差をどうしたら埋めることができるのか、という問いは非常に重要なポイントでした。
注釈:あくまでもイメージであって我々の利用価値が下がっているということではありません。お客様の利用目的が多様化しているため、全てを一定の評価とはすることができない状況にあると考えています。
トレジャーデータが求められる進化
この進化と対応は、市場のニーズ変化によって常に変化し続けていくものだと思いますので、明確な答えはないと考えてはいます。しかし、現時点において我々が対応していくべきことは以下の三つのポイントである今現在は考えます。
1.プラットフォームの進化
2.カスタマーサクセスの強化
3.パートナー強化
多様化するお客様のゴールや利用方法において、特に我々のようなデータそのものを軸とするビジネスでは、お客様をサポートし的確に成功に導いていくため、単純なSaaSベンダーとしてのサポートから、ソリューション型に対応を変化する必要がある。そしてお客様の成功を通じて新たなCDPの使い方などを発見し、プラットフォームの進化につなげる。また、我々単独で全てのお客様の完璧なサポートはできないと考えているため、我々がまず率先して活用をして得たナレッジを、パートナー企業様に提供をして、パートナー企業様でサポートができる体制を作り上げることが重要だと考えました。
(1.3においてはまた別の機会でお話をします)
新チームとカスタマーサクセスの統合
ただし、チーム統合といっても、マネージメントラインが統合されただけで、実態としては組織は個々で運用されている状態でした。基本的に半年間くらいは全体を知るために大きな組織変更や統合はせず、一つ一つの業務フローや、担当の動き方、KPIの要因の分析や把握など、色々とメンバーに影響のない範囲で、どういうフォーメーションが正しいかを考える日々が続きました。
(ここまでは2019年6-11月までの話)
……次回に続く