トレジャーデータ重原です。
他のCSメンバーがいい記事を書いてくれているので、カスタマーサクセスがここに至るまでの経緯などを、思い出も交えながら少し振り返りしてみようともいます。
まず、私が入社した当初はカスタマーサクセスとは異なるチームで新たに立ち上げを行ったばかりのチームでした。
以前に以下のような記事を投稿させていただきましたが
我々カスタマーサクセスも単なるSaasのサポートから、カスタマーデータプラットフォームのカスタマーサクセスへと進化し、単なるツールベンダーのサポートチームではなく、ご契約企業様が何を求めているのかをご契約企業様以上に把握し、ご契約企業様のビジネス拡大に対し、データがどう活かされるのか、どう使うことができるのか、その答えに対して適切な導きをする必要があると考えております。
完全なるテストケースではありましたが、新たに立ち上げたチームは従来のカスタマーサクセスチームとは別に、特定の顧客に対し、よりお客様の立場になり、深くサポートを行う専門部隊でした。私はトレジャーデータ入社以前に外部パートナーの立場でTreasure Data CDPと関わっておりましたが、私が外部パートナーとして関わっていた当初から既に上記のような課題感は感じており、それらを解決するために組織作りを開始しました。
その時のセールスチーム内のフォーメーションはシンプルに以下(絵)
入社当初にアサインされた新チームメンバーのメンバーのケイパビリティは大まかに以下でした。
Aさん:CDP構築プロマネ、アーキテクチャ設計経験、マーケティング関連コンサル経験
Bさん:戦略/ビジネスコンサルティング業務経験
Cさん:マーケティング戦略/施策立案/コンサル業務経験
Dさん:アドテク系ツールベンダーカスタマーサービス、マーケティング施策実行経験
Eさん:SQL/workflow設計従事者、マーケティング施策実行経験
当初は主たる業務はあまりなかったこともあり、まず最初にはとりあえず営業整備や営業同行での提案サポート、あとはひたすら酒を飲んで社員とのコミュニケーショを行う日々でした。実際に、ベンダーとしての立場で、お客様のところにお伺いをするのは久々の経験でしたので、お客様からどのようなことを求められているか、何が必要なのか、というところをお伺いしつつ、深くサポートができる顧客を探しておりました。
幸いにも私が入社したタイミングでは、既に特定の顧客サポート業務が発生しており、数名のメンバーはそちらの対応へ専念、私ともう1名はお客様への同行、残り1名は組織をどう組み立てていくか、お客様へのサポートをどうするべきかと言うところの検討に専念し、うまく役割分担ができていました。そして、おかげさまでチーム立ち上げから1−2ヶ月程度で、サポートを実施できるお客様を見つけ対応を開始することができました。しかし、思ったよりもニーズが多く、直ぐにに2社、3社とご要望をいただくことができるようになってきました。
チーム拡大の兆しとケイパビリティの再確認
チーム立ち上げ当初から、計画をされていた5名の採用枠があり、各初期メンバーに1名のサポートをつけられるような形で採用活動を進めておりましたが、チーム立ち上げから数ヶ月で2−3社と比較的重目のサポートが必要になったことで、4−5月頃には、ボードメンバーから急遽チームメンバーの増員計画を伝えられ、+15名ほどの採用が必要となりました。
当初5名から+5名、さらに+15名で1年間で25名のチームとなることが決まり、当たり前ですが無作為に採用をかけるわけにもいかず、改めてチームとしての枠組み、必要な人材、必要なケイパビリティの再検討を行うこととしました。幸いにも(当たり前ですが)、過去の経験から、トレジャーデータのインプリメントやプロジェクト進行における人材要件というのはある程度イメージが付いていましたので、再度メンバーと協議し、大枠で組織として以下のファンクションが必要という形に至りました。
- ビジネスストラテジスト
お客様のビジネスを理解し、そこに対してトレジャーデータやCDPという軸ではなく、データという軸でどうビジネス変化を生み出すことができるか、顧客に対して、その提案や壁打ちができる機能。 - プロジェクトマネージャー
文字通りデータを活用するためのプロジェクトをリードする機能。技術やマーケティングの双方を理解した上で、顧客との対話を行う必要がある。 - マーケティングストラテジスト
データを活用し、どう消費者とコミュニケーションを行うか、マーケティング施策をどう実行するかの戦略設計やプランニングなどを行う機能。 - システムアーキテクト
各種マーケティングツールとの連携における設計や、施策実行を想定したデータインポート、アウトプットフローの設計、運用フローの設計等。 - データアーキテクト
Treasure Data CDPにデータが格納された後の集計プロセスの設計、実際の構築作業 - 6.データサイエンティスト
機械学習モデル構築、分析業務等を実行する機能
2021年2月現在の組織構成において、一部機能はセールスチームへ移管しましたが、この組織の骨子は今の組織でもそのまま軸となっています。ビジネスストラテジスト、マーケティングストラテジスト、システムアーキテクト、データアーキテクト、データサイエンティストについては、必要なケイパビリティはイメージができていたので、ジョブディスクリプションへの落とし込みや面談については比較的順調に進んでいきました。しかし、プロジェクトマネージメントができる人材という部分については非常に頭を悩ませる形となりました。
トレジャーデータにおけるプロジェクトマネージメントに必要な人材
プロジェクトマネジメントとは!についてはカスタマーコンサルティングチームの小谷が別途詳細な記事を掲載しますので割愛をしますが、求められる人材の前提の知識として1.Treasure Data CDPの知見、2.顧客ビジネス全体の理解力、3.顧客ビジネス課題への洞察力、4.課題における打ち手への理解、5.データから打ち手へ繋げる事のできる一定の技術知見、6.顧客とのコミュニケーション能力、これらが必要となっていました。
しかしながら、ご認識いただける通り採用でこれらの知見を持っている人材を確保するのは容易ではなく、近しい人材の採用と教育を行うことで検討は終了しかけていたのですが、とあるメンバーが気がついてしまったのです、悪い顔をしながら。隣にカスタマーサクセスという部門があることに・・・。
(ここまでは2019年2-5月までの話)
……次回に続く。