Treasure Data CDPを活用することで可能になるメールマーケティングについてお伝えいたします。
メールマーケティングへの対応は必要か
若い人を中心にメルマガは見ないといった意見を聞くことが増えたように感じます。そのため企業側でも担当者を減らしたりと重要度を下げているところもあるのではないでしょうか。
私は昨年まである企業でデジタルマーケティングを担当していました。その中でメールマーケティングを扱っていましたが、現在でもメルマガは絶対に欠かすことのできないマーケティング手法だと考えています。確かに年代別で見ると20代前後を中心にメルマガの許諾率や開封率は低くなってきましたが、まだ一定数はメルマガをみています。またブランドや企業の既存顧客に対して、ここまで低単価でアプローチが出来る手法は他にありません。
既存顧客へのアプローチをCDPを活用してより良いものにしていくことは、デジタルマーケティング担当者であればまず実施すべきことの一つです。
また少し社内向けの話にはなりますが、CDP等のツール導入においては、導入後にどういった成果が生まれたか、ある程度早い段階で社内に報告することが必要となる場合が多いでしょう。まずは素早く成果を出さないといけない、そういった場合にもメールマーケティングの対応は適しています。配信結果が素早く早くわかり、PDCAを回すことに繋げやすいため、導入前と比べて改善したという成果は他の広告手法よりも出しやすいからです。
ただしCDP導入の目的を、メールマーケティングだけに定めると投資対効果が合わない可能性が高いため、CDP導入の際にはビジネス課題に沿ったゴールの設定と中長期的なアクションプランを立てる必要はあります。
CDPによるメールマーケティング
前段でメールマーケティングの必要性を述べましたが、CDPを活用すべき理由をより詳しくお伝えします。
顧客は「この内容は自分に合っていないな…」と感じたらメルマガを解約します。近年この行動はより顕著になってきたと感じています。私がメルマガを担当していたときも、配信内容の上段部分に女性モデルを載せたら、男性からの解約率が上がったことがあります。過去のメルマガと内容を変えた際にも解約率はあがりました。それまでのメルマガがマッチしていた人が解約してしまったのでしょう。同様に、メルマガ経由の売上が高まるのも、内容がマッチしていたときです。過去に購買していた内容に応じて適した商品をレコメンドすると購買率はあがります。
メルマガの解約を防ぎ、売上を伸ばすためには、一人ひとりの顧客に適した情報を送る必要があります。そのためにはCDPを活用すべきです。メール配信システム側でも、データを保持して顧客をセグメントする機能を備えているものもありますが、データ量やセグメント作成に制限があり、やりたいことが実現出来ないことが多いです。CDPとメール配信システムを組み合わせることで、パーソナライズ化したメルマガを行いましょう。
例をいくつか提示します。
- オフラインでの行動を反映したメール配信
- 過去の購買(オンライン/オフライン問わず)に基づいたレコメンドメール配信
ウェブサイトの閲覧やECでの購買など、オンライン行動に合わせてメールを送ることは、メール配信システム側で完結する場合もあります。(例:ECサイト上でカート放棄をしたらメールを送る等)
しかしオフラインの行動をもとにしたメールを行うためには、該当するデータが必要です。そのデータを活用した施策を行うためには、CDP等のツールが必要になります。DWH等でデータを保持していることもありますが、メール配信システムとの連携の容易さを考えると、CDPやMA等のマーケティングツールを活用することをおすすめします。実店舗での購入がある人に店舗別のキャンペーン情報を送ったり、イベント参加した人に後日別のイベント情報を送ったり、オフライン上の行動に応じて適したメルマガを送りましょう。
男性、女性といったデモグラに合わせたレコメンドでは、パーソナライズ化したメルマガとはいえません。家族に対して異性のものを購入する場合もありますし、ECでは自分のものだけを買うが、店舗は家族と行くから全員のものを買うということもあるでしょう。過去の購買情報をオンライン、オフライン合わせて分析を行うことで、どういう購買行動を行うかを捉えることが出来ます。それにより適した商品をレコメンドすることが出来るようになります。
メルマガ配信結果のレポーティングも、CDPを活用することでオフライン上の成果も含めることが可能です。より正確な配信結果でメルマガを評価することに繋がります。メール配信システム側のレポーティング機能では、ECサイトでの購買結果などオンライン上の成果に限られてしまいましたが、顧客側の動きはオンラインに限りません。メルマガをみたあとに実店舗で検討、購買することもあります。
この場合、従来のレポーティングでは、メルマガを開封はしたけれど購買しなかったという扱いになってしまいます。そのため、メルマガ配信後のオフライン行動もレポーティング対象にすることで、本来のメルマガの成果をしっかり評価することが可能になります。
おわりに
既存顧客との接点を強める際に、メールマーケティングはまだ欠かすことが出来ない手法の一つです。デジタルマーケティング担当者であれば、避けて考えることが出来ないものといえます。メールマーケティング限らず、既存顧客と適切なコミュニケーションを取り、強固な関係を築くためにも、CDPを活用頂ければと思います。進め方や対応事項に疑問などがありましたら、弊社担当者にお声掛けください。