カスタマーオンボーディングチームの阿部征哉です。
以前事業会社に所属してデータ分析を行っていた経験から「顧客理解」について私の考えをお伝えしたいと思っています。Treasure Data CDPで統合した顧客データからどうやって顧客理解をすればいいのか迷っている方、顧客理解をこれから始めようと思っている方などの参考になると嬉しいです。
最初に理解すべき顧客とは?
顧客理解から売上に繋げるということを考えると、最初に理解すべきは自社の「ロイヤル顧客」です。多くの場合、特に長期的に考えると、80:20の法則(パレートの法則)のように一部の顧客に売上が集中しているという状況が見て取れるからです。
ロイヤル顧客の定義
ロイヤル顧客とは自社にとって売上をもたらしてくれている存在です。このロイヤル顧客を増やすこと、あるいはロイヤル顧客でい続けてもらうことが自社の売上を増やし、継続するためのひとつの方向性になると思います。どのような顧客をロイヤル顧客と定義すべきかは業種や商材によって違いますが、
「現在、製品・サービスを継続して購入しており、今後も購入し続けてくれるであろうをロイヤル顧客とする」
と考えてみてください。”現在”、”継続”の部分を自社の業種や商材と特徴に合わせて決める必要があります。もう少し噛み砕いていくと、”現在”というのはアクティブユーザーと捉えることができ、”継続”とは何度も購入していると考えることが出来ます。
ロイヤル顧客の見つけ方の一例
それではTreasure Data CDPで統合した顧客データからロイヤル顧客を見つけるにはどうすればよいでしょうか。
- 以下、B2Cの物販を想定した一例です。
- 「”現在”=直近6ヶ月、”継続”=3回以上の購入回数」と決める
- 顧客データを3つに分類する
a.直近6ヶ月以内に購入履歴があり、かつ3回以上の購入回数(=ロイヤル顧客)
b.直近6ヶ月以内に購入履歴があり、かつ2回以下の購入回数
c.上記以外で購入履歴がある - それぞれの平均LTVを算出する
購入ありの顧客に絞っているので、実際の売上に影響を与えている顧客を抽出することになります。平均LTVの算出ですが、ここでは単純に「平均LTV=売上÷顧客数」としてみてください。
平均LTVが a > b > c となりましたか?
少々乱暴ではありますが、aのロイヤル顧客がLTVが高い顧客として抽出できていれば一応の成功といえるでしょう。
顧客理解はまだまだ続く
ここで分類できたaがロイヤル顧客ということで完結できれば、おそらくそうはいかないでしょう。1〜3の定義を変えてみたり、購入回数から初回を排除してみたり、試行錯誤が続くと思います。また、直近6ヶ月でデータを抽出していますので、来月には結果が変わっているでしょう。ぜひこの記事をヒントにTreasure Data CDPで統合した顧客データからロイヤル顧客を抽出して、様々な角度から継続的に顧客分析をしてみてください。
その過程すべてが顧客理解に繋がっているので、将来的には必ず売上貢献に繋がっていくと思います。私の今後の記事でも顧客理解に関して掘り下げていきたいと思っています。