カスタマーオンボーディングチームの溝川 晃央です。
CDP市場の勃興に沿う形で、Adobe,Salesforce(以下、SFDC)をはじめとした大手ツールベンダー各社がCDPをリリースしたことにより、今後CDP市場が活況を呈してくると思われます。そこで今回はポジショントークは抜きに、CDPの種別と、種別毎のメリット/デメリットについて整理をしてみたいと思います。
種別化するにあたって、やはり非常に大事な視点としてAdobe,SalesforceなどのベンダーはCRM施策の実行基盤(MA、サイト最適化等)を自社で保有したうえで、その活用促進を意図としてCDPをリリースしている、要は「Suite戦略」をとっている点。それに対して弊社Treasure DataやTealium等のCDPベンダーは自社では実行基盤を保有せずに実行基盤に依存しないCRM活用促進を意図としている、要は「Best of Breed戦略」をとっている点は非常に大事なポイントだと思われます。
CDPに限らずIT業界では古くからSuiteとBest of Breed型のどちらがいいのか、といった論争は絶えませんが、ではCDPにおいてはSuiteとBest of Breed型のメリット/デメリットは何でしょうか?筆者はシンプルに以下のように考えます。
Suite型CDP
メリット
実行基盤とCDP間の技術的な連携難易度が低い
デメリット
自社以外の外部製品との連携難易度が高い(コネクター少、都度のデータ整形 要)
Best of Breed型CDP
メリット
データ取込/実行基盤ともにベンダーニュートラル(コネクター多)
デメリット
実行基盤とCDP間の技術的な連携難易度は若干高い
既に社内のCRMシステムを1社のみに依存し、また今後も1社利用を前提としている場合にはSuite型を選択するのが得策でしょう。逆にCRMシステムを複数社利用し、また1社によるベンダーロックインの状況を作りたくない、という場合にはBest of Breed型を選択するのが得策かと思います。
また、上記は機能でのメリット/デメリットにフォーカスしていますが、実装にあたっての体制面で見た際の難易度も考慮する必要があります。例えばSuite型CDPを導入する際に、同一ベンダーのデータをCDPに取り込むので技術的な難易度は低いものの、実行基盤の保守/運用が複数社に跨っている場合には、プロジェクト面から見た連携難易度は急激に高まるケースもあります。
以上、CDP導入、リプレイス検討にあたっての参考になれば幸いです。