今回、私の記事からは、Treasure Data CDPをもとに広告の施策へ活用した事例をご紹介させていただきます。
広告予算のアロケーションへの活用
まず、配信している広告の予算の再配分にあたり、クリックやコンバージョン以外の指標として、興味関心度合いを数値化しKPIとします。その数字をもとに媒体やターゲティング、訴求単位での効率を可視化し、キャンペーンにおける予算の再配分に活用した例です。
上記イメージにように、広告経由のアクセスは興味関心を示し、ニーズの高まり・購入や問い合わせに対して近づいてきている、という前提とします。興味関心度合いとして、それらの行動情報をポイント(数値)化し、比較を行いたい広告配信の区分毎に数値化させてデータの集計を行います。※ex)広告媒体毎やターゲティング毎、広告の訴求毎等
集計後上記のような表が作成できます。実際の興味関心度合いとコンバージョンの相関を見ながら、ざっくりと効率の良かった広告配信の区分や、効率の悪かった広告配信の区分の把握が可能です。また、よりテコ入れや最適化が必要な広告配信の区分や、広告配信の停止を検討する広告配信の区分が可視化されます。
中間コンバージョン等でKPIを追加で設ける施策に似ていますが、コンバージョンにあたっての様々なフラグを数値化し集計することで、見る指標を減らし、動きの早いマーケティング活動において、判断を早めすぐに施策へと思考を進められるメリットがあります。また、その興味関心度合いを活用したMAでのシナリオへの連携や、サイト内でのレコメンド等の施策にも活用することで、よりコンバージョンを増やすといった意味合いにおいても、施策の幅を拡げていく事ができます。
リターゲティング広告への活用
ITP等のCookieの規制が行われ、今までよりリターゲティング広告への依存度が減ったとはいえ、まだまだそれなりに広告予算を使用していることが多いリターゲティング広告ですが、Treasure Data CDP内に保持しているデータを活用して、コミュニケーションのマッチング精度を高めて効率化を行った事例を紹介します。
TreasureDataCDPで統合したデータから「アクセスしたサービス(商品)のCV迄の期間の分布」をサービス(商品)毎に分析し、アクセスした当日以降のCV傾向を上記図のように分析します。上記の図であれば、「全体の9割が10日以内にCVに至る」等を可視化し、サービス(商品)毎に把握することが可能です。
それまでの広告運用の中で、WEBサイトを訪れたがサービスは未購入といったユーザーに対して漫然と
・1ヶ月以内(30日以内)
・3ヶ月(90日)
・半年(180日)…etc
と期間を区切り、設定していたリターゲティングのリーセンシーだったものが、分析結果を加味し、サービス(商品)毎に異なる適切な期間での広告配信を行うことで、過度なリターゲティングに伴うブランド毀損の防止や無駄な広告費の削減を行うことができます。
上記以外にも、軸を変え購入金額と購入回数(継続期間)を用い、優良顧客化の施策として、ユーザーのステージ区分でセグメントを作成したナーチャリングでの活用や他社(モール等)へのサービスを卸している場合に、他社(モール等)での特徴や傾向を分析し、自社離脱ユーザーへ他社(モール等)の広告配信を行い、最終的な離反防止といった施策を行うことも内容によってはできるようになるかと思います。
まとめ
Treasure Data CDP自体はデータを格納する箱といった概念が強いですが、中身のデータを課題に合わせ、様々な角度から集計や分析を行うことでより効率的な活用方法が検討できます。是非、お試しいただければ幸いです。
またご不明な点等ありましたら、弊社のカスタマーサクセス担当迄ご相談ください。