カスタマーコンサルティングチームの石井 紀之です。
皆様の中には、「何となく『数字が苦手』な方」、「データ分析に初めて携わる方」もいらっしゃるかと思います。今回は、データ分析の一歩手前として、そういった方へもぜひ取り組んでみていただきたい事をご紹介いたします。一つ、取り組んでみていただきたいこと、それは「日々の数値を見ること」です。例えば、前日または当日の実績値などの数値を、毎日見ていただくことをお勧めしたいです。
もし、ご自身の部署で、数値進捗が共有されているのであれば、そちらをご覧いただければ良いですし、数値がなければ、ご自身で集計を試してみていただけると良いと思います。(簡単に出来る集計例などは、別の機会にご紹介できればと思います)何の数値を見れば良いかについて、ご自身の担当業務の中で主要KPIが定まっているのであれば、該当KPIと、それに関連する数値を見ることができると良いでしょう。KPIが定まっていない場合は、普段の業務での報告内容に関わるものや、よく話に挙がる数値を対象としてお考えいただければと思います。
初めは、「ふんふん、こんな感じか」という程度からのスタートで良いと思います。それでは、本題についてご説明してまいります。
「日々の数値を見ること」、そのメリットは?
「日々の数値を見ること」で得られるメリットとしては、以下の点があると考えています。
- 数値感を養える
- 「いつもと違う変動」に気づきやすくなる
数値感を養うことができる
数値感の観点としては、「規模感」「変動の幅」「トレンド」がポイントです。「規模感」は、例えば、毎日どのくらいの新規顧客の獲得があるのか、サービスの利用者数がいるのか等の1日ごとの数値です。このペースで進むと、月でどの程度になるかといった予測をして、過去の実績と照らし合わせると、数値に対する納得感も出てくるのではと思います。
次に、「変動の幅」についてですが、毎日同じ数値になるわけではないので、少ない時はこの程度、多い時はこの程度という感覚を掴めると良いと思います。「トレンド」は、数値の上下変化に、一定の傾向があるのかです。例えば、「休日に増える」「月後半に増える」など曜日や時期によって変わるものもありますし、天気や○○のシーズンなどで変わるものもあるかと思います。(季節性のトレンドがある場合は、月毎の数値を見るなど、長期期間での見方も必要です)。
これらの観点で日々、数値を見ていき、それが「いつも通りの数値」かどうかが掴めてくると、次の一歩が見えてきます。
いつもと違う変動に気づきやすくなる
「数値感」が頭の中に蓄積されると、段々と、その数値が「いつも通りの数値」として見えてくるかと思います。そうすると、時に、「いつもと違う数値」に出くわすことがあります。例えば、いつもの数値の何割以上になっている、いつもは増える/減るタイミングなのにそうなっていない、など、ご自身の頭の中にある数値感で解釈できないものが出てくるかもしれません。その時にこそ、ぜひ、いつもと違う要因を探していただくと良いと思います。
関連しそうな他の数値を見ることや、例えば、何かの施策が実施された、WEBページの設定/内容を変えた、競合サービスで何か動きがあった、SNSでこんなことが盛り上がっている、など周辺情報にも目を向けることで、要因が見えてくる場合があります。また、自部署や関連部署の方にヒアリングをしていくことでも、要因把握に繋がる情報が得られます。
いつもと違う数値に気づけることで、「数値変動の新しい要因」を見つけるきっかけになります。そして、そこから新しい施策を考える事にも繋げられるのではないかと思います。
なぜ「日々」が良いのか
では、なぜ「日々」が良いのか、毎日見ると良いのか、その理由を2点挙げます。
1つ目は「変動理由をタイムリーに把握できる」ことです。
何か変化があった時、昨日、今日はこんな日だったという情報との関連性を思いつきやすいはずです。また、ご自身の部署、関係部署の方に確認する際も、後々振り返って聞くよりは、その時その時に聞く方が、相手の記憶も鮮明で細かい点にも気づきやすい可能性が高いです。
その場で分からなかったとしても、こういう変化があって気になっているという事を、自分自身が持つ・周囲と共有しておくことで、後々の要因把握に繋がりやすいと思います。そうすることで、変動理由の情報をより詳細に、また、漏れなく集められるようになると考えられます。
2つ目は「単純に、数字を意識する機会が増える」ことです。
数値に対する評価を毎日していくことで、反復練習になり、判断も早くなってくると思います。一方、振り返る機会が少ない場合、気になった点が複数あったとしても、全て確認していく時間を取れない場合もあります。時間分散ができることにより、業務の中で、あまり時間をかけずに数値に慣れていく、理解を深めることができるのではないかと考えられます。
Treasure Data CDPを活用いただき、簡単なところからでも、数値に触れる機会を作っていけると幸いに思います。
それでは、記事を最後まで読んでくださりありがとうございました。また次の記事でお会いできると幸いです。